酵素の基本的知識と酵素食品の効果について

みなさん、こんにちは。

最近、よく酵素と言う言葉を耳にしますね。

健康食品やダイエット食品、洗剤にも入ったりしています。

ところで、みなさんはこの「酵素」って一体何者かご存知でしょうか?

最近は、中学校から「酵素」という言葉を習い始めるのですが、目に見える物ではないので、その概念を正確に理解するのは難しいですね。

実は、私は大学院で「医学」の博士号を取得していて、理化学研究所や製薬会社で医学の研究をしていました。

ですから、生物に関しては、少し詳しいのです。

そこで、今日は「酵素」についてお話しします。

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1.酵素とは何か?

まずは、酵素の定義から。

東京化学同人社出版の生化学事典第3版によると

酵素とは

「触媒活性を有するタンパク質の総称」

と書いてありました。

でも、この説明だといまいち良く意味がわからないですよね。

そこで、中学の理科の参考書を見ると、酵素は

「体の中で必要な化学変化を引き起こす手助けをしているタンパク質」

と書かれています。

ということで、酵素がタンパク質なのは間違いありません。

そして、その役割は、「体内で起きる化学変化を引き起こす手助け」と言うことです。

この「手助け」というのが「触媒活性」になります。

つまり、体内で起こる脂質の分解やタンパク質のリン酸化など、何もない状態では起きないような反応が、酵素によって、容易に起こされるのです。

ちなみに、タンパク質の場合、酵素によって限定的に切断されたり、リン酸化されたりすることによって、その機能が制御されています。

酵素は「触媒活性を有するタンパク質の総称」と呼ばれるだけあって、様々な種類の酵素が体内に存在しています。

代表的な酵素として、

  • 糖を分解する「アミラーゼ」
  • 脂質を分解する「リパーゼ」
  • タンパク質を分解する「プロテアーゼ」
  • DNAを合成する「DNAポリメラーゼ」
  • DNAを分解する「ヌクレアーゼ」

などがあります。

上記はあくまでも酵素の一部です。

生体内にはまだ発見されていない酵素も含めて、多数の酵素が存在しています。

酵素の定義に書かれていましたが、酵素はタンパク質です。

タンパク質というのは複数(およそ100~10000個くらい)のアミノ酸が連なった巨大分子です。

そして、酵素をはじめとしたタンパク質は機能を持つ為に3次元構造と呼ばれる立体構造をしていて、その構造は温度やpH等によって厳密にコントロールされています。

なので、洗剤などに酵素が含まれている時は、その酵素が活性を持つことが出来る適正温度(通常は生体と同じ40°前後)で使用することによって、効果を最大に発揮することが出来ます。


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2.酵素食品の効果

ところで、酵素食品というのは、本当に効果があるのでしょうか?

私は、酵素食品を飲んだことも食べたこともないので、わかりません。

しかし、現在明らかになっている、教科書レベルで考察すると、酵素食品にあまり効果は期待できないのではないかと思います。

理由は、先ほども述べましたが、酵素はタンパク質だからです。

前述の通り、タンパク質は3次元構造を形成して、その機能を発揮することが出来ます。

しかし、人間に食べられたタンパク質のほとんどは、胃などの消化器官を通過する際に、強酸やペプチダーゼの環境下で、ずたずたに小さなアミノ酸レベルまで分解されてしまいます。

アミノ酸レベルまで分解されたタンパク質は、もはやその機能を有していません。

よって、酵素食品も胃を通過することによって、機能が失われてしまうのではないかと考えられます。

アミノ酸レベルまで分解されてしまえば、アミノ酸を含んだサプリメントを飲んでも一緒です。

もっと言えば、仕事の帰りにビールと一緒に食べた焼き鳥でも、得られる物は同じと言うことです。

先日、紹介したように、食中毒菌である黄色ブドウ球菌が出す毒素、「エンテロトキシン」もタンパク質です。

このタンパク質は特異なタンパク質で、高熱や酸に対して抵抗性を持っています。

なので、胃を通過して、腸で作用することが出来ます。

しかし、このようなタンパク質は非常に希で、ほとんどのタンパク質は熱や酸で不活性化されてしまいます。

このような理由から、製薬会社が販売する栄養補助食品にはタンパク質は含まれておらず、代わりにアミノ酸が配合されています。

ということで、酵素を飲んだり食べたりして、酵素としての効果を期待するのは中々難しいかもしれません。

でも、酵素食品に具体的に何の酵素が含まれているのかわからないので、あまり強く否定もできません。

最終的には、本人の判断によるのかと思います。

<参考文献>

  • 生化学事典: 東京化学同人
  • 中学総合的研究理科: 旺文社
  • 細胞の分子生物学: 教育社
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